イルミナシオン / 著・ヤマシタトモコ / 宙出版（mellow mellowコミックス）

公務員の幹田はホモでもないのに男に恋心を抱いている。
女たらしの幼なじみ小矢に。 恋心を隠して友達づきあいを続けることに
限界を感じ始めた幹田は、居酒屋で出会ったゲイの州戸と一夜を共にする。
一度きりの関係のはずが、再び州戸は幹田の前に現れ、幹田の日常は壊れてゆく・・・。
表題作シリーズ他、短編4作、さらに描き下ろし後日談を収録した、最新作品集。

短編集、全５編収録。
いつも思うのは、ヤマシタさんはＢＬ作家に留めておくのは勿体無いくらい
奥の深いものを描きますね。逆に言うと、ＢＬというジャンルの中では
奥が深すぎてたまにわかんなくなるくらいに。
今回の表題作、イルミナシオンもその他短編諸々、奥が深いのが多かったです。
イルミナシオンは一応三角関係モノなんだと思います。
ゲイでもないのに、幼なじみを好きになってしまってただでさえ混乱してるのに、
飲み屋で会った男と行きずりの関係になってしまい、その男から好きだと言われる。
自分の本当の恋は叶わないし、他の男から猛アタックされるしで、
結局「誰も好きにならない」なんて悲しいこと言って。
それでもラストはそんな暗い感じじゃなくてよかったです。
普通「誰も好きにならない」なんてメインに言わせないですよーＢＬだもん。
その他の短編は死にネタもあって、それが色んな意味ですごいと思った。
ＢＬでやらんでも全然いいネタなのに、ＢＬでそれをこなす。
あと、必ずヤマシタさんのお話であるのが女の子視点のお話。
今回もありました。客観的に女の子の目線からゲイの人を見るって、
実はその方が描きやすいと思うんです。描いてる本人が女性なわけだし。
でも、それをやってる方がほとんどいない中、ヤマシタさんは女の子視点の
お話を多く描かれてますよね。他じゃほとんど読めません。
ヤクザものもあったんですけど、私指が吹っ飛ぶとか苦手なので、
残念ながらこれは一回しか読んでません・・・主従関係としては萌えたな～。
とりあえず、ヤマシタさん相変わらずすごいです。

★★★★☆（＋半分）

夢結び恋結び 1 / 著・桜城やや / 角川書店（ASUKA COMICS CL-DX）

待望の桜城やや新作★神主さん×高校生で贈る恋愛大騒動♪
近所の神主・隆明さんとエッチをする夢で●精をして目が覚めてしまった
高校生の青。現実でも隆明に迫ったものの拒絶され、
なんとか一回だけキスをさせて貰うことに成功したけれど…？
＜角川書店公式ページより抜粋＞

ややさんの久々の連載。これは１巻なんで、どうやら２巻も出るみたいです。
容姿が可愛らしい高校生の青は近所の神社の神主である隆明が好きで、
天然たっぷりで猛アタックを仕掛ける、そんな青に隆明たじたじ・・・みたいな。
受けの青がだいぶ童顔で可愛い系なので、私の受けの好みではないけど
大丈夫かな～なんて思ってたんですけど、ド天然さと見た目に寄らず腕力が
強いそのギャップでその辺は特に気になりませんでした。
隆明の方がだいぶ年上なので歳の差モノですかね。ややさんの描く攻めは
相変わらずかっこいい！そして、メインの隆明もいいんですけど、
私は青の友人の眼鏡がめちゃめちゃ好きでした、出番少なかったけど。
カンペキに襲い受けみたいな感じなんで、苦手な人には読みづらいかもです。
絵が丁寧ってだけで漫画そのものが読みやすくなりますよね。
話とかキャラとか、もの凄い好きってわけじゃなかったんですけど、
やっぱりややさんの漫画は面白いです。２巻での展開、楽しみにしたいですね。

★★★☆☆（＋半分）

教師も色々あるわけで / 著・大和名瀬 / リブレ出版（BE×BOY COMICS）

２年２組の子供たちに毎日毎日振り回されて、
マジメだけがとりえの古森先生は凹み気味。
隣の組の多岐川先生のスマートさに劣等感を抱いていたが、
彼の悩みを偶然知ってしまい…。大人気の熱血センセイ連載がコミックス化！
予備校の先生のお話、「教師の告白」も収録v
＜リブレ出版公式ページより抜粋＞

先生×先生モノ。よくよく考えたら名瀬さんの作品買うの初めてかもです。
読むのは多分初めてではない・・・ハズ。あんまり暗い話を読みたくなかったので、
表紙をみて「おっ、明るい話っぽい」って思って買った記憶があります。
思った通り、内容は新米教師のわいわいがやがやコメディ交じりのお話でした。
受けの古森先生が一生懸命になりすぎてから回っちゃうタイプの先生。
一方隣のクラスの多岐川先生は子供の扱いもしっかりできたパーフェクト先生。
正反対の二人ですが、古森先生が頑張ってる姿に惚れたのか、
多岐川先生はクサい台詞をバンバン吐きながら古森を落としにかかってます。
多岐川先生はいたって真面目くんなので、強引なことはせず誠実に古森と
向き合ってます。私は台詞がクサい攻めがちと苦手なんですけどね・・・。
ただ、敬語攻めはよかったですね！敬語攻め万歳！
でも、なんで小学校教師だったんでしょうか。高校教師とかの方が、
横から入り込むイケメン生徒の当て馬的展開とかあっただろうに（笑）
同時収録の作品では予備校の先生×生徒のお話がありました。
短編ながらもよくまとまっていたと思います。どうにもこうにも、
名瀬さんが描く攻めってかっこつけっぽいのばっかりだと思うのは、
私の気のせいですかね・・・？

★★★☆☆

生まれ星―三村家の息子シリーズ / 著・明治カナ子 / 大洋図書（ミリオンコミックス）

田舎町の資産家、三村家の次男・弓と敏夫は親友同士。お互いに恋心を抱きながらも、
すれ違いが重なるふたり…。傷心の弓は桜舞う故郷にひとり帰省する。
だが、遠く離れた場所で考えるのは敏夫のことばかり……。
三村家の息子シリーズ 弓＆敏夫編、感動のクライマックス!!
＜大洋図書公式ページより抜粋＞

三村家シリーズ完結です～大好きなシリーズだったので、悲しいような嬉しいような。
まー相変わらず暗い！（笑）暗いけど面白い。
この巻で弓と敏はくっつくわけなので、二人のシーンは多かったです。
一生懸命弓は敏に近づこうとしてるんですけど、敏がなかなか弓を好きってことを
自分で受け入れられなくて、酷いこと言ったり、逃げたりするのが
見ててイライラ（ってかじれったい？とはまた違う？）したんですけど、
まぁ敏はハナから弓のことが好きだったんだろ！？っていう感じで。
今回角の登場はあんまりなかったです。
明治さんだし、最後にはやっぱくるだろーなぁって思ってたらやっぱりきました、
濃いエロ（笑）明治さんは過去読んだ作品でＳＭとかヘーキであったので、
エロが濃い、というか描写がリアルなのはわかってました。
最後のエロに約20ページほど使ってるので、内容はただヤるだけじゃなくて、
敏が弓を大事に大事に抱くっていう描写がされてました。
いざってときに縮んじゃう弓とからしいなぁって思いましたね。
そして、巻末の描き下ろしにもありましたけど敏のチ○コはでかい・・・と。
全体的に暗いけど最後の最後はちょっと明るくてよかったですね。
三村家は奥が深くてホントじーんとくるお話でした。やっぱり好きだなぁ。

★★★★★

図書委員の恋 / 著・恋煩シビト / ふゅーじょんぷろだくと（Baby comics）

高校２年の夏、親友に彼女が出来た。この気持ちは何！何！何！！
自分に好意を持つ男が現れた。女々しい奴。この嫌悪感は何故、何故、何故！！
やがて出会った１冊の本が導いた答えとは――…。
多感期の主人公が、自らの性嗜好に動揺し 周囲や自分を傷つけながら
成長していく姿を 風情豊かな筆致で描く。
＜裏表紙より抜粋＞

短編集・全５編収録。
表紙買いでした。絵がキレイやな～って。内容もアタリでした。
最初は自分はゲイだなんて意識したことのなかった桜井が高校時代に会った
オカマの花村によって、自分がゲイだということを気付かされる。
一番身近にいた自分の友達を好きだと自覚した桜井は花村に翻弄されながら、
フツーに男を好きになる～みたいな話。結局高校時代に桜井が好きになった
男とは別の男と付き合っている話が収録されています。
面白かったのは、オカマ花村とそれを煙たがる桜井の掛け合い（笑）
お話の展開の仕方が上手です。あえて高校時代に花村に自分はゲイだと
気付かされるところから細かく描いているあたり、この作品はアタリかと。
普通、高校時代と大学時代～みたいな感じでお話を分けると、
どっちかいらなくない？ってか、高校時代の諸々入れるなら仲が深まったあとの
二人の話をもっと描いてよ！なーんていう漫画もあると思うんですよ。
でも、この図書委員の恋では、高校時代と大学時代で相手を変えたのが
よかったですね。それでいて、キーパーソンの花村は残す！みたいな。
他の作品もよかったです。チャラ男×秀才くんとかウケた。
全体的に暗いです。もう少し明るい作品を一本でも入れてくれたら、
読んでいて面白かったと思います。今後に期待。

★★★★☆

ここからどうする? / 著・三池ろむこ / 新書館（ディアプラスコミックス）

凛とした空気、まっすぐ伸びた背中——
俺は、白木と碁盤を挟むこの時間が一番好きだった。
だけど、そうやって向かい合うごとに、あいつのことが気になっていって……!?
恋を知らない未熟な二人のティーンエイジ・ラブ!!表題シリーズほか
「ずっと待っていた」「美しき日々を」「素晴らしい世界」を収録。
＜新書館公式ページより抜粋＞

短編集・全４編収録。
表題作は囲碁部同級生同士のお話。囲碁部とか聞くと暗めなの想像するかもですが、
攻めは割りと今風の男の子、受けは冷静沈着無口な男の子。
タイプが逆の二人のお話。こーゆうちょっと無口っぽい受けのコ好きです！
無口なコが照れたときってのがいい。エロっぽい描写とかは皆無なんですけど、
触れるだけのキスとかがこーゆう二人にはいいんだと思います。
あと、リーマン×コンビニ店員の男の子、擬人化モノ、眼鏡のお話があります。
三池さんは絵が好みで話の感じも好きなんですけど、いつもあともう一歩なとこが
もどかしいですね。もちろん、個人的な感覚でもう一歩って思ってるだけです。
内容が単調すぎて、抑揚がないのがムズムズするのかもしれません。
やんわりな描写とほんわかな感じが売りなんでしょうけど、
三池さんが一度どエロいのとか描いたらどーなるのか・・・ちょっと興味ある。
この作品でぐっじょぶ！だったのは、ブレザーくんと学ランくん、
両方を登場させてくれたこと。私は学ラン好きです。

★★★☆☆